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鴻上尚史 「空気」と「世間」
(講談社現代新書) [新書] 本体740円

なぜか逆らえない場の「空気」。その正体を探っていくと見えてきたのが、崩れかけた「世間」の姿だった。「空気」と「世間」を知り、息苦しい現代日本を生きていくための、方法を示す。会社、学校、家族、ネット、電車内――どこでも「うんざり」してしまう人へ

目次
はじめに
第1章 「空気を読め!」はなぜ無敵か?
お笑い番組の「空気」/「空気」が混乱する時/「順番に来るいじめ」/と「空気」/混乱する「空気」は読めない/空気を決める「司会者」/日常というテレビ番組/司会者がいない場の空気に怯えるな/人は正体の分からないものに怯える
第2章 世間とは何か
  日本人とマナー/席取りするおばさんの「世間」と「社会」/阿部謹也の語った「世間」/「それは理屈だ」と「しょうがない」の意味するところ/インテリが無視する「世間」/若者が感じるのは「世間」ではなく「空気」/世間のルール1 贈与・互酬の関係/世間のルール2 長幼の序/世間のルール3 共通の時間意識/世間のルール4 差別的で排他的/世間のルール5 神秘性/西洋にも「世間」はあった/教会が「世間」をつぶした/神と「世間」の役割は同じ
第3章 「世間」と「空気」
  「世間」が流動化したものが「空気」/日本人がパーティーが苦手な理由/山本七平の’「空気」の研究’/「空気」に欠けている「世間」のルールとは/「臨在感的把握」と「神秘性」について/差別意識のない差別の道徳/
第4章 「空気」に対抗する方法
  「空気」の絶対化/絶対化に対抗する相対的な視点/「多数決」さえ絶対化する日本人/議論を拒否する「世間」の支配/「裸の王様作戦」/「空気」の世界は理屈のない世界
第5章 「世間」が壊れ「空気」が流行る時代
  中途半端に壊れている「世間」/「僕のクラスは」と語らなくなった子供たち/「世間」とは利害関係のある人々の全体/地域共同体という「世間」をゆるやかに壊した都市化/会社という「世間」をゆるやかに壊した経済的グローバル化/精神的なグローバル化/快適さを知れば後戻りはできない/「世間」への疑問が膨らむ/不安と共に急速に壊れ始めた/「世間」のないアメリカは本当に風通しのいい社会か/超格差社会を生きる個人を支えるキリスト教/神がなく「世間」も壊れた日本で個人を支える「空気」/空気で手に入るのは「共同体の匂い」/「世間原理主義者」の登場/正論・原理を語る人々/なぜ「自分がどんなに大変か」を語るのか/抑圧としての「世間」にうんざりする人々
第6章 あなたを支えるもの
  「世間」の逆襲/資本主義の「中世」化/「世間」を感じるために他者を攻撃する/「共同体の匂い」に支えられるという選択/「家族」に支えを求めるという選択/ほんの少し強い「個人」になる
第7章 「社会」と出会う方法
  「世間」に向けて発信した秋葉原通り魔事件の被告/「社会」に向かって書くということ/日本語は「世間」と共に生きている言語/「社会」と出合うための日本語/「世間」の言葉・「社会」の言葉/相手に迷惑かどうかはぶつかってみないと分からない/「社会」とつながるということ/複数の共同体にゆるやかに所属する/つらく楽しい旅
おわりに