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20061230 近代化と世間-私が見たヨーロッパと日本
  阿部 謹也  (朝日新書) [新書]¥700円+税

「私はこれまでほぼ五十年にわたってヨーロッパ中世史の研究をしてきた」という一文から始まるこの新書は、著者がさる9月、急逝の日の朝まで朱を入れてい た。西洋と日本、それぞれの近代化について論じる総決算の書。著者は、ドイツ中世の研究で名をなすかたわら、日本社会を、「世間」というキーワードを使っ て分析してきた。『ハーメルンの笛吹き男』『中世の窓から』『「世間」とは何か』などのベストセラーでも知られる。

まえがき
第1章 西欧社会の特性
 個人の成立と自然からの脱却/公共性の成立/12世紀ルネサンス/贈与・互酬関係の変化/アジール・フライウングの成立/現代の「アジール」/聖なるものへの憧憬/西欧における差別/人間狼について/追放された人々/二つの宇宙/外部との闘い/小宇宙としての共同体/大宇宙との接点/選民の成立と解体
第2章 日本の「世間」
 日本の個人/巌谷小波の『世間学』/日本における贈与・互酬関係/自画像の欠如/「世間」のなかの時間/大学の崩壊/子供の位置/日本における差別/自らの体験から/「世間」と差別/日本のアジール
第3章 歴史意識の東西
 西欧の歴史意識/シャルトル学派/サン・ヴィクトールのフーゴー/歴史的神話の形成/理性は神話に勝てない/日本人の歴史意識-「世間」とは何か/自然との関係/「世間」と時間/「世間」の景観/「世間」の神々/丸山真男の「歴史意識の『古層』」について/文献だけでなく、行動からも/
終 章 ヨーロッパと日本
結語