TOP>>文献・書籍等>>阿部謹也自伝

世間学に関する文献・書籍等です。



20050525  阿部謹也自伝 新潮社 1,785円(定価)

私の人生を決めたのは、恩師にかけられたひとつの言葉だった――。待望の刊行!
裕福な家に生まれるも父の死によって急転し、カトリック修道院に預けられた少年期。神父への道を約束されながら、学問の道を選んだ青年期。「それをやらなければ、生きてはゆけないテーマを探しなさい」。大学の恩師の言葉を胸に、ヨーロッパ中世の森へ分け入り、やがて日本人の生き方の問題に直面する。清冽、真摯な回想録。

第1章
  神田の頃/鎌倉の暮らし/小学校にて/川越への疎開と敗戦/牛込にて/カトリックの修道院にて/洗礼/帰京/はじめての山/大学入学
第2章
  上原専禄先生との出会い/上原先生の歴史学の講義/ハインベルグとの出会い
第3章
  大学院にて/「世間論」への遠望-社会史の試み/現代の政治状況と中世史研究/結婚/就職
第4章
  ドイツの生活/ハーメルンの笛吹き男との出会い/ボンの生活/ゲッティンゲンの人々/文書館にて/学会について/研究と調査の中で/居酒屋について/民衆本の世界/帰国/日本の差別問題との出会い
第5章
  秋元松代氏のこと/学者達との付合い/贈与慣行の転換と罪の意識/再びドイツで/大学行政に紛れ込んで/弔旗掲揚問題
第6章
  キャンパス問題/3・1確認書/団交/教養教育の問題-瀕死の大学/教養とは何か/学長室の日々/トルコ訪問/佐野書院/如水会
第7章
  ウガンダ訪問/学長選考規程の問題/大学長推薦規則/文部省との確執のはじまり/選考補足メモの経過/国立大学協会/科学技術基本法
第8章
  ソウル大学訪問/再び学長選考の問題へ/身体障害者として生きる/国立大学独立行政法人の発端/対話集会/再び国立大学協会について
第9章
  堀口大学との出会い/リルケの詩を読む/再びハインベルについて/高村光太郎/「世間」を対象化する/金子光晴の「寂しさの歌」/「日本世間学会」の発足
あとがき